カナダは3月22日、トルドー首相率いる自由党が、ジャグメート・シン党首率いる新民主党であるNDPと連立政権を発足したことを発表しました。
この連立政権発足には、自由党内でも一部の党員しか知らされていなかった、ということや突然の連立政権が発足したことにより、様々な批判の声も挙げられています。というのも、これにより、現在の政府は2025年まで政権が維持されることがほぼ確定したからなのです。2015年から続くトルドー政権は合計10年間継続することになりました。
これには賛否あると思いますが、カナダに住む人たちにとっては、このニュース、ありがたい側面もあります。
今回連立政権を組んだNDPは、以前から新たな歯科治療や、ファーマケアと呼ばれる薬物治療プログラムなどを提唱していました。
New Democrats will always use our power to make life better for Canadians
Tommy Douglas did it with Medicare
Jack Layton did it with affordable housing
Now we’re using our power to deliver the biggest expansion of health care in a generation – with Dental Care and Pharmacare pic.twitter.com/kTVUxR66ta
— Jagmeet Singh (@theJagmeetSingh) March 22, 2022
具体的には、歯科治療や薬の負担額の軽減などが含まれます。
ファーマケア(薬物治療プログラム)が該当する制度は、現状、各州の管轄となっています。実際、私のヘルスカード(保険証)はオンタリオ州発行のものです。
そのため、ファーマケアの導入は州の協力が必須ということもあり、公約達成目標時期としている2025年までの導入を目指しているとのことですが、課題も多いようです。
一方で、歯科治療については、2022年中にプログラムが開始されると報道されています。政府によると、新しい歯科治療プログラムの対象となるのは、世帯収入が9万ドル未満の家庭。さらに、世帯収入が7万ドル未満の場合は自己負担ゼロとなります。
つまり該当する世帯の歯科治療費用は政府が負担するため、”無料”というわけです。
まずは、12歳未満の子供から開始し、2023年までに18歳未満と障害者や高齢者に拡大され、2025年までに完全に導入すると予定とのこと。政府発表では、このプログラムの対象になるのは延べ650万人になると想定されています。
参考: NARCITY